お隣さんからのいただいた白いビニール袋からチラリと緑の細い葉が見えていた。キャベツ、大根と取り出して、袋に残ったのは、ね、ねぎ、じゃない。
葉の感じは、確かにねぎだが、土にまみれた根っこのあたりがなんだか違う。ねぎと比べて、根元の部分ががっしりとして、一塊にくっついている。
ああ、わけぎだ。分葱と書くもので、玉ねぎの仲間だ。たぶん。(検索してみると、関東と関西では、わけぎの概念が違うらしい。)
そういえは、分葱は、球根が分かれて増えていくらしく、随分前に、お隣さんの家庭菜園の隅に、もさもさと生えているのを見たことがある。食べ頃なのを収穫してくれたのだろう。
私の地域では、わけぎというと「ぬた」という酢味噌で和えたものを作るのが一般的だが、酢味噌がなかったので、冷蔵庫にあった梅味噌で和えた。艶やかな葉は、歯ごたえがあって美味しかった。
数年前、植えっぱなしの分葱がどんどん増えて困ると言いながら、お隣さんから株分けしてくれた。いただいた苗を、さっそく我が庭に植えたけれど、痩せてガチガチの土ではひょろひょろとしか育たず、未だ収穫ならずである。
いつかこんな生き生きとした分葱を収穫したいものだ。