春になると、雨が降るごとに庭の草がぐんぐん伸びていくのを忌々しく思いながら、いつか、よもぎを摘んで草餅にしようと思って数年が過ぎていた。
ついに先日、草餅づくりに挑戦した。餅つき機なんて持ってない。ボウルと綿棒で、全手動餅つきだ。
事前に、お隣さんに、なんとなくの作り方を確認しておいたとおりに、蒸したもち米に、茹でて刻んだよもぎを入れて、麺棒で突っついた。
突っつきに突っつきいたが、もち米の蒸し上がりが硬めだった上に、よもぎも茹で足りなかったようで、想像していだよもぎ餅のようにならない。
なんともいいようのないものができた。
もっと艶やかに、もっと緑になるはずであった。
初めて作ったよもぎ餅を焼いて食べたら、よもぎ独特の苦味というか辛味というか、あの刺激的な風味が、噛むたびに口の中てびりびりとした。見た目もそうだが、味もキツすぎる気がする。
よもぎは、勝手に生えてくる。お隣さんに作り方をもう一度聞いてみよう。
私は、次こそは成功させると心に決めた。